ギアシフトレバー(Kawasaki Motors Corp., USA)

小ロットで大幅なコスト削減を実現する革新

Kawasaki Motors Corp., USA の モトクロスレーシング技術チームは、Kawasakiモトクロスレーシング用オートバイの多くの専用部品の機械設計を担当しています。
3Dプリンティングを採用することで、迅速な設計の反復や短期間での部品製造が可能になります。さらに、従来の削り出し加工では困難な部品や、射出成形でしか製造できない部品も作成できるようになり、小ロット生産でも効率的に製造できる利点があります。

課題

Kawasakiでは、モトバイク用のシフトレバーを製造する際、複数のジグと2種類の専用CNCマシンが必要でした。そのため、設計の改良やカスタマイズを行うには、多大なコストと時間がかかっていました。

解決策

新しいシフトレバーはMFFF(金属FFF)技術を用いて製作され、複雑な曲線形状も追加コストなしで実現できました。
さらに、新デザインはセルフクリーニング機能を備えており、レース中に泥が詰まって重要なシフト部品がロックするリスクを排除しています。加えて、UltiMaker Curaの「Fuzzy Skin」設定を使用することで、部品表面に自動でグリップ性のあるテクスチャを付与でき、プロライダーのブーツの操作性を向上させました。

結果

プリント時間: 2時間51分
重量: 80 g
コスト: 11.93ドル
MFFF(金属FFF)技術の導入により、各ライダー向けにカスタムシフトレバーを作成する際も、新しい治具やCNCプログラムを作成する必要がなくなりました。さらに、新しい17-4 PHステンレス鋼は、従来のアルミ製部品(わずか6時間の走行で摩耗していた)に比べて耐久性が大幅に向上。その結果、コスト効率が高く、カスタマイズや改良の自由度も増した部品が実現しました。
モトクロスレーシング技術者のジェレミー・ロビンソン氏は次のように述べています:
"3Dプリンティングのメリットを目の当たりにし、チームとして常にバイクの進化と設計の限界に挑戦し、最高レベルの競技性能を追求できるようになりました。"

3Dプリンティングでギアを上げる

Kawasakiの事例は、金属3Dプリントをより簡単かつ低コストで行うことで実現できる、コスト削減と革新の可能性を完璧に示しています。
下のリンクから、さらに多くのMFFF活用事例をご覧いただくか、UltiMaker Metal Expansion Kitの購入方法を確認してください。